本記事では、物性物理を専攻する国立理系大学院生のわたしが、
量子力学のおすすめ参考書・問題集を厳選して
それぞれ1種類ずつ紹介したいと思います!
私自身が数多くの他の本を試したうえで選ばれた2種類で、
この2種類で期末試験、大学院入試も余裕でした!
是非参考にしてください!
おすすめ参考書2選
【はじめの一冊】量子力学(猪木・河合)
有名な量子力学の本がたくさんあるなか、
本書が最も優れていると僕は思いますので、おすすめします。
どうしても本書が難しいという方は、基礎ver.も出ていますので、
基礎を学習した後に通常版に戻って来るのが良いと思います。
【テスト・院試対策用】演習しよう量子力学: これでマスター! 学期末・大学院入試問題
比較的あたらしい本ではありますが、これが一押しです。
(というより、量子力学の演習書は良いものが少なすぎます。)
量子力学(猪木・河合)の特徴2つ
途中説明がわかりやすく、数式も比較的カンタン
量子力学の参考書としては、小出やサクライなど有名な本はたくさんありますが、
どれも本当に難しく初学者はおろか、一度勉強した人でも読むのが難しいです。
そんな中、猪木慶治・川合光の本書は使われている数式が比較的カンタンで、
数式の途中式変形も省略が少なく丁寧です。
豊富な例題があり、この一冊で定期試験までOK
従来の参考書では、例題はほんのわずかで、
模範解答も無いか、あっても一行だけという鬼仕様でした。
「学習者のため」と思っての設計かもしれませんが、正直ありがた迷惑です。
最も効率的な学習法は、「まずは答えを見て覚えてしまう」ことだと思います。
その点、本書は例題が豊富で、丁寧な模範解答つき。初学者の学習にぴったりです。
例題は本文中に最適なタイミングで出てくるので、
問題演習でさらに理解が深まります。
『演習しよう量子力学』の特徴2つ
問題の量、難易度がちょうどよい
大学物理の問題集は、初歩的なレベルの問題のみ or 難しすぎ、量多すぎ
ような参考書ばかりで、いい本を探すのにとても困った記憶があります。
本書は、基礎的なものから大学院入試の難しい過去問まで
あらゆるレベルの問題が網羅されており、
この本1冊だけで大学院入試の問題演習は十分です!
(このレベルを超える問題が出て来ても、難しすぎてほとんどの人が解けません。
なので対策の重要性は極めて低いです。)
解説と解答の導出過程が省略されることなく詳しく書かれている
模範解答の途中式の省略が少ないので、学習当初の理解にとても役立ちます。
世の中の大学物理の参考書は、解答省略多すぎで困ってしまいますが、
本書であれば安心です。
問題の章立てが良い(シュレディンガー方程式→ブラケット形式)
量子力学をある程度学習した人向けのおすすめポイントですが、本書は
1.波動力学(通常の微分方程式を解く問題)
2.行列力学(ブラケット形式で解く問題)
の順に構成されています。この順序がとても親切です。
1.波動力学でまずは見慣れた数式で量子力学の理解に徹する。しかし計算は大変。
2.行列力学(ブラケット形式)でシステマチックに簡略化し感動する。
有名なJ.J.サクライの本はいきなりブラケット形式が出てくるのですが、これだと
量子力学・行列形式の数学を同時に学習する必要があり、ハードルが高いです。
本書はその問題をクリアした画期的な問題集であると言えるでしょう。
まとめ:この2種類で定期試験・大学院入試はOK!!
この2種類を数周くらいやり込めば院試も余裕です!
何なら大学院でも量子力学マスターとしてブイブイ言わせられます。
ぜひ量子力学を習得してください!
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